趣味の弊害

基本的に
漫画>ラノベや小説>コミックエッセイ>考察やネタ本>新書や論文系>思想歴史系
の割合で本を読むのですが、久しぶりに主張系の本を読んでみました。あー、頭が痛い。(弊害
主張系は比較的合ってるマトモな本で7割がた真実といったところで、基本的に眉唾ものとツッコミのできるオンパレードなんでなんか精神が休まらないんですよね。
 
『真実を書いた本は売れない』
 
という悲しい法則がありまして。『アポロは月に行ってない説』とか『911事件陰謀説』とか『ゲーム脳』とか『食品添加物だらけの日本は危ない』とか『相対性理論は嘘』とか『砂糖は毒』とか『水に綺麗な言葉を書くと綺麗な結晶になる』とか『血液型で性格は決まる』とか『中国韓国は日本を占領しようと陰謀を張り巡らしてる』とかとかとか、ちょっと考えたら嘘だとわかる本は売れるのに、真っ向から否定する本はちっとも売れないからね! 新書系はいかに突飛な内容が書けるかが勝負な気がします。真実は必要とされないパフォーマンスで、皆は信じたいモノを勝手に信じるだけなのかもしれません。
石原元都知事幸福の科学の教主がドヤ顔で書いた本はまだ胡散臭さが漂っているのでいいのですが、科学という化けの皮を被ってひっそり流布されてるデマや陰謀説は恐ろしいです。
それでも笑い飛ばせる内容ならともかく『嫌韓国』とかいうシリーズ(漫画形式)を書いてるやつはなんなの? デマと思い込みと陰謀説とでっち上げとご都合主義解釈のオンパレードに、差別的で韓国人全てが犯罪者や悪人であるような描写。しかしこんなに気持ち悪い漫画なのにシリーズ累計でかなり売れてるとか信じられない。『砂糖は毒!』とかなら人に迷惑をかけないだけ微笑ましいですが、誤った知識を植え付け差別や偏見を助長させるとか……ぞわっ。
 
たまにマトモな本が見つかると安心する。政治思想系や健康科学系にはあんまりないけど。
働かないアリの話とか、自然環境についての真面目な考察本とか、実際の体験談とかは基本真面目ですけど……(
 
批判系は少ないけど的確にトンデモ本にツッコミ入れてるのを見ると落ち着きます。よく言った!
それで、なんだか面白い本を見つけました。
『反☆進化論講座 空飛ぶスパゲッティモンスターの福音書』(本当はスパゲッティとモンスターの間に点がありますがブログだと改行になるので意図的に消しています)作者はアメリカのかたです。
空飛ぶスパゲッティモンスター、略してスパモン(FSM)を神とする『お堅い宗教書』(訳者紹介)です。
嘘です。作者創始のスパモン教によってアメリカにはびこるID説(インテリジェントデザイン説)を茶化し馬鹿にし風刺している作品です。キリスト教のパロディ宗教のようなものです。ID説は日本だと統一教会あたりが流布してる説です。ちなみにエホバの証人とか統一教会とかは評判のすこぶる悪い宗教団体です。悪いことは言わない、近づかないように。
ID説はですね。『進化論は証明されてない! だから神のような存在が人間を創造した可能性もある! だから学校では進化論とともに神(が人間を作った)論を学ばせ、どちらを信じるか選ばせるべきだ!』というというカルト的主張です。
見るからに馬鹿っぽい主張ですがうっかり実現しちゃいそうになるから宗教は侮れない……。現にアメリカでは進化論を教えない学校は多く進化論を知らない大人がたくさんいるようです。科学って……21世紀って何なんだろう……。
しかし『反☆進化論講座』の著者はこう主張します。
『選択を自由にさせるならID説と進化説と共に″空飛ぶスパゲッティモンスター説″を教えるべきだ。何故ならスパゲッティモンスターが人類を作ったことも否定できないからだ!』
スパモン教は荒唐無稽なネタ宗教ですが、ヌードル神(スパモン最高神)が一瞬で世界と人間を造り昔からあったかのように化石を仕込んで疑問を持たせないよう目に見えないヌードル触手で操ってることとか、全世界にヌードル神を信じる隠れた信者(パスタファリアン)がたくさんいるとか、人類は猿からではなく海賊から進化したとか、そんな主張もID説論者には否定ができない。
何故なら否定した瞬間に、キリスト教にブーメラン。
こういうふざけながらも辛辣な批判というのは面白いです。もう進化論とID説と一緒に教えちゃえよ!(おい)
……ちなみにスパモン教にも祈りの言葉がありまして。
キリスト教は『アーメン』
つまり……

では、皆様お休みなさい
ラーメン(笑)