うごメモ作品連携小ネタ話

うごメモのアレはリアルに40分で下書き無しで一気に描いたのでクオリティが死んでいますが、まぁ仕方ないのですが。
他人に見せる為ではなくほとんど自己満足の領域ですね。まぁいつものことですが。
時間があればマフィとペケとエーフィくんのネタとか、「みんなの合作をより良いものに4」とか「けもののまほう」とか「フレイム6」とかその他書きかけのもろもろをしたかったのですが、40分じゃ無理ですね。ほら真面目に書くと一昨品に10時間ぐらいかかるから……(どんだけ遅筆)

以下、「オオスバメの帰省」小ネタ。ブログ限定と言えば聞こえはいいがホムペに上げるまでもない小ネタなので仕方ない。

ケムッソとリーダーであるオオスバメが地元の話で盛り上がったある日の晩のこと、オオスバメは言ったのだ。
「この時期は果物が美味しいんだ。久しぶりに顔出すかなぁ。ケムッソ、お前も来いよ」
その言葉に頷いたことがケムッソは今では信じられなかった。そうだ。そうなのだ。当たり前だ。
「ひぇえええ! 鳥ポケモンがいっぱいいる!!」
リーダーはオオスバメだ。ということは故郷の家族や友人も鳥ポケモンの可能性が高いことに言われるまで気づかなかった。オオスバメに言われた時には時すでに遅し。
 仕方なく用意されたオオスバメの着ぐるみに身を包み、ケムッソオオスバメにぴったり張り付いた。バレバレだと思った変装に気づくポケモンはまだいないが、ちらっと視線がそこにいるポケモンたちと合う度に、ケムッソの体の震えが酷くなっていく。泣きそうだ。実際もう涙目だった。
「……大丈夫か?」
「じ、地獄です」
「………なら」
 ほとんど気絶しかけていたケムッソをひょいと脚で掴むと、オオスバメは空高く放り投げた。
「うわぁあああ!」
 とすん。と気づけばケムッソは柔らかな羽毛の上にいた。投げるのと同時に飛び立ったオオスバメが背でキャッチしたのだ。
「……あの、投げるのはいいのですが……せめて予告をしてくれないでしょうか」
「あ、悪い」
 寿命が二年くらい縮んだ思いだ。
「掴まっとけよ!」
 ぐっ、とオオスバメが力強く羽ばたけばぐんぐん高度が上がっていく。彼らの眼下に広がるのは、一定の感覚でそびえ立つ高い木々。そして周りには無数の鳥ポケモンの姿。
(ひぇえええ!!)
 オオスバメの背中を必死に掴んで固く目を閉じ、必死に現実逃避を試みた。
(大丈夫。鳥ポケモンなんていない。なんか鳴き声聞こえるけどそれは風の音だ……)
ケムッソの第二の故郷である《迷いの森》が虫ポケモンの楽園であるように、ここは鳥ポケモンの楽園のようだ。
 タベラレルのリーダーのオオスバメは菜食主義だ。最近の文明化されたポケモンたちは他のポケモンを食べたりしないのだが、場所が場所だ。他のポケモンとコミュニティーを持たない野生の、つまり未開拓地域の文明化されていない鳥ポケモンたちにとってケムッソは餌だ。そして、ここは非文明的なポケモンたちも多く生息している地域だ。正直、一度足を踏み入れたら生きて帰れる気がしない。
(天然なリーダーといえどちゃんと着ぐるみは用意してたのは……いいのか悪いのか)
一番いいのは最初から連れてこない事だ。
「……そういえばリーダー」
「どうした?」
「この着ぐるみ、リーダーが作ったんですか?」
「いや、作ったのは……何だったっけな名前。アニキとかコノハとか言うやつらだよ」
(アニキ? コノハ?)
ケムッソは数十秒考える。知らない名前だが、どこかで聞いたことのあるような気がする。ややあって、思い至るが。
(まさか、まさかなぁ)
きっと名前が似てるだけなのだろう。似合わなすぎる。そう思いつつ、ケムッソは一応の確認のために聞いてみる。
「……アニスさんとコノメさんじゃないですよね?」
「ああ、それだ」
「ですよね、違いますよね………えっ、ええ! ええええ!! アニスさんが!?」
一向に芽が出る気配も活躍する機会もない。泣かず飛ばずのあの探検隊。リーダーはストライクのアニスだ。
「副業って言ってたぜ」
着ぐるみ作りが副業って何なのだろう。どうやってあの鎌状の腕で裁縫をするのだろう、つくづく謎だ。
「よくこれを作れましたね」
「ああ、そこはご都合主義らしいぜ」
「身も蓋もありませんね」
デジャヴを感じるやりとりだ。といっても別作品なので彼らが知る由はないのだが。
「見えたぜ、俺の古巣だ」
 そうこうしているうちに目的地についたようだ。目を少し開けて見えた景色に後悔する。
はぁ、とこっそり小さくケムッソはため息を吐いた。
(食べられたく、ないなぁ)
『悪夢の帰省』は、まだ始まったばかりだった。ケムッソの気がす遠くなる。
「到着!……おい?」
そして、ケムッソは気絶した。


どことなく中途半端(